ワクワクニュース

地図に載らない場所に、100人が集まった。招待制サウナ「湧火(YUUKA)」の会員「火守」が100名を突破。

2026-08-15 15:21:00
サムネイル画像

招待制プライベートサウナ「湧火(ゆうか/YUUKA)」は、2026年8月15日、会員である「火守(ひもり)」が100名を突破したことをお知らせします。湧火は南アルプス・甲斐駒ヶ岳(2,967m)の麓の私有地にあり、正確な所在地とアクセスは公開していません。あるのは薪サウナと、自然の沢の水だけ。常駐する管理者はいません。火守は所定の審査を経て迎えられ、会員ページから1時間単位で予約します。この土地がどこにあるのかを、100人は、入会するまで知りませんでした。

■ 場所を教えないまま、100人が集まった

湧火(YUUKA)は、広告を出していない。所在地を書いていない。地図アプリにも登録していない。写真に人を写さない。検索しても、ブランド名以外ではほとんど出てこないよう、意図してつくられている。

その状態のまま、2026年6月1日の公開から約2か月半で、会員「火守(ひもり)」は100名を超えた。

100人は、この土地がどこにあるかを知らないまま申し込み、審査を受け、入会し、そこではじめて座標を知った。順番が、逆である。

■ 火守(ひもり)とは何か

湧火(YUUKA)の会員を「火守」と呼ぶ。火を守る人、という意味である。

入会を希望する人は、氏名・連絡先・本人確認書類を添えて申請する。運営はこれを審査し、通過した人にのみ会員コードを発行する。誰でも入れる場ではない。

入会後、火守は電子署名によって危険の告知に同意する。一酸化炭素。ヒートショック。溺水。やけどと転倒。沢の水が飲用ではないこと。この署名を終えるまで、火に近づくことはできない。

予約は会員ページから1時間単位で行う。60日先まで取れる。同じ時間枠を他の火守と共にする「相席」を受け入れるかどうかは、火守自身が予約画面で選ぶ。相席を選んだ枠は最大4組まで、選ばなかった枠はその火守の専有となる。誰と過ごすかを、運営が決めることはない。

所在地は、入会の手続きを終えた火守にのみ、座標として開示される。

■ なぜ湧火は所在地を公開しないのか

理由は単純である。半径500mに人がいないという条件は、土地の面積ではなく、同時にそこに居る人の数によって決まる。

場所が公開されれば、人が来る。人が来れば、半径500mは埋まる。埋まった時点で、湧火が差し出しているものは消える。だから公開しない。秘密主義ではなく、算術である。

同じ理由で、湧火は広告を出さない。検索結果の上位を取りにいかない。地図サービスに登録しない。写真に人を写さない。露出を増やす行為はすべて、商品そのものを削る行為になる。

■ 100という数字は、到達点ではなく境目である

会員が増えれば、一人あたりの静けさは減る。これは総量の決まった資源の分配であって、努力や工夫で覆せる種類の問題ではない。

湧火は会員数を成長の指標として扱わない。100名を超えた今、運営は入会審査の基準と、1日あたりの受け入れ枠の見直しに入っている。増やすことよりも、火守ひとりが手にする余白を守ることを優先する。

数を追わない事業に、数の発表は似合わない。それでも100という数字を公表するのは、これが「増やす話」ではなく「止める話」の始まりだからである。

■ サウナが密度を上げる時代に、湧火は密度を下げる

日本のサウナ愛好者は1,500万人前後で横ばいが続いている。内訳だけが入れ替わった。月4回以上通うヘビー層は2025年度に約250万人となり、前年から66万人、35%増えた。一方でミドル層は約410万人で微減、ライト層も減っている(一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所「日本のサウナ実態調査2026」2026年2月実施・全国18~69歳の男女1万人)。ブームが去ったのではない。残った人が、深くなった。

個室・貸切での利用も、すでに定着している。同研究所の2023年調査では、男女とも25%以上が個室型貸切サウナの利用経験を持ち、1回あたり3,000円以上を支払う人が60%を超えていた。

その本格層に向けて、施設は密度を上げる方向に進んでいる。都市の中心に、サウナと水風呂とジムとワークスペースを一か所に束ねた複合施設が相次いで開いた。熱源を複数用意し、水風呂を温度別に並べ、映像と音と香りで空間をつくる。滞在時間あたりの体験量を最大化する設計である。

屋外に置くサウナの防火基準も、2026年3月31日に整理された(総務省消防庁による対象火気省令等の改正。「簡易サウナ設備」の区分が新設された)。趣味の道具だったものが、制度の対象になった。成熟とは、そういうことである。

湧火は、逆をいく。熱源はひとつ。水はひとつ。建物は最小限で、選択肢を増やしていない。増やしたのは、半径500mに人がいないという余白のほうである。

一点だけ、時流と重なるところがある。水着を着てともに入る形が広がりつつあることだ。湧火も水着着用を義務とし、相席を認めている。ただし相席にするかどうかを決めるのは、運営ではなく火守自身である。

■ 1時間単位で売る、という選択

サウナの利用時間は、90分、120分といった単位で売られることが多い。湧火(YUUKA)は1時間単位である。連続する枠を、火守が自分で束ねる。1時間で帰ってもいいし、6時間続けても構わない。

滞在の長さを運営が決めないのは、火をくべる量も、水に入る時機も、やめどきも、すべて本人が決めるという運営形態と一貫している。時間を区切って体験を設計する側に、湧火は回らない。

■ 相席は、運営が決めない

湧火には相席がある。同じ時間枠を、ほかの火守と共にする形式である。

多くの施設では、貸切か公衆かはあらかじめ決まっている。湧火では、それを予約のたびに火守自身が選ぶ。今日はひとりで過ごしたい、今日は誰かと火を囲んでもいい。その判断は毎回変わってよく、運営が代わりに決めることはない。

相席を選んだ枠は最大4組まで同居しうる。選ばなかった枠は、その火守の専有となる。人の数を管理するのではなく、人の数を選ぶ権利を渡している。

■ 会員制サウナという領域における、湧火の位置

入会金と年会費を取るサウナは、すでに存在する。入会金20万円台から80万円、年会費30万円から110万円という水準の施設が、東京・名古屋・大阪・福岡にある(各社公表値・2026年8月時点)。会員数に上限を設け、審査を課す例もある。

湧火が異なるのは、そこに次の条件が重なる点である。

・招待制・審査制であること
・所在地を公開せず、入会後にのみ開示すること
・入会金制であること
・水風呂が人工の浴槽ではなく、自然の沢であること
・常駐する管理者を置かず、すべてを火守自身の手で行うこと
・電気を太陽光と蓄電池で、通信を衛星回線で賄うオフグリッドであること

これらすべてを同時に満たす施設を、当社が公開情報を調査した範囲では確認していない(自社調べ・2026年8月時点)。ただしこれは、国内に存在しないと断定するものではない。所在地を公開しない施設は、原理的に網羅調査ができないからである。

■ 火と水と、土地のこと

サウナは薪で焚く。室温は100℃を超える。

水風呂は、自然の沢である。夏でおよそ12℃、冬でおよそ8℃。水底が見えるほど澄んでいる。ただし飲用としては提供していない。透明であることと、飲めることは、別である。

背後に甲斐駒ヶ岳(2,967m)が立つ。南アルプスの北端にあたる山である。

湧火は完成した施設ではない。この2か月半も、開拓は続いていた。沢からの取水は口径を上げ、ポンプを使わず重力だけで水を引く方式に改めた。電気は太陽光とリン酸鉄リチウムイオン電池で賄い、通信は衛星回線でつないでいる。

つまり、電波は届く。それでも、置いていくことを勧めている。

敷地は、隣接する土地の取得を継続しており、公開時より広がった。道をつくり、階段を刻み、地面を均す。写真に残りにくい作業のほうが、時間の大半を占めている。

■ 冬のこと

沢の水温は、夏でおよそ12℃、冬でおよそ8℃まで下がる。数字の差は4℃だが、体感の差はそれより大きい。

冬は雪が積もる。道は狭くなり、薪は乾きにくくなり、火をおこすまでの時間が延びる。手間は増える。それでも湧火(YUUKA)は通年で開いている。面倒がそのまま季節の輪郭になる場所なので、楽な季節だけを切り出すことをしない。

■ 写真に、人を写さない

公開している写真に、人物は写っていない。例外は車だけである。

理由は二つある。ひとつは、主役を土地と水と火と静けさに置くため。もうひとつは、人が写れば、それが場所の手がかりになりうるためである。服装、光の角度、背後の稜線。写真は思っているより多くを語る。

■ 安全は、用意されていない

湧火には、見張る人も、助ける人も、常にはいない。火をくべるのも、水に入るのも、やめどきを決めるのも、訪れた人自身の判断に委ねられる。

火は100℃を超える。水は8℃まで下がる。薪を焚けば一酸化炭素が生まれる。熱から冷水への移動は、血圧を急に動かす。沢は雨のあとに増水する。濡れた岩は滑る。

これらを、湧火は隠さない。入会時の電子署名は、そのすべてを読んだうえで行われる。ひとりで水に入らないこと。酒を飲んだあとに入らないこと。体調のすぐれない日に無理をしないこと。約束は、そこに書かれている。

用意された安全がないことを、あらかじめ告げる。それが、この場所の最低限の誠実さである。

■ これからの湧火

100名を超えた湧火は、次の三つに取り組む。


  1. 入会審査の基準と、1日あたりの受け入れ枠の見直し

  2. 土地の拡張と、道・水・電気の整備の継続

  3. 火守が静けさの総量を分け合うための、予約設計の改善


会員数を増やす計画は、この中に含まれていない。

■ 名前について

湧火(YUUKA)。「湧」は、湧き出る水。「火」は、薪の炎。交わらないはずのふたつが同じ場所に在ることを、名に込めた。

公式サイト:https://yu-ka.space

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【よくある質問】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Q. 湧火(YUUKA)とはどのような施設ですか。
A. 南アルプス・甲斐駒ヶ岳の麓の私有地にある、招待制・審査制のプライベートサウナです。薪サウナと、自然の沢を用いた水浴で構成されます。常駐する管理者はおらず、すべて利用者自身の手による利用(セルフ)となります。

Q. 「火守(ひもり)」とは何ですか。
A. 湧火の会員の呼称です。火を守る人、という意味です。所定の審査を通過した方のみが火守となります。

Q. 所在地はどこですか。
A. 公開していません。南アルプス・甲斐駒ヶ岳の麓、とだけお伝えしています。正確な座標は、入会の手続きを終えた火守にのみ開示されます。

Q. 誰でも入会できますか。
A. できません。氏名・連絡先・本人確認書類を添えて申請いただき、運営による審査を経て、通過した方にのみ会員コードを発行します。

Q. 予約はどのように行いますか。
A. 会員ページから1時間単位で申請します。60日先まで予約可能です。運営が承認した時点で確定します。

Q. 「相席」とは何ですか。
A. 同じ時間枠を、ほかの火守と共にすることです。相席を受け入れるかどうかは、火守自身が予約時に選びます。相席を選んだ枠は最大4組まで、選ばなかった枠はその火守の専有となります。

Q. 料金はいくらですか。
A. 公開していません。

Q. 沢の水は飲めますか。
A. 飲用としては提供していません。水底が見えるほど澄んでいますが、飲み水はご自身でお持ちください。

Q. 取材はできますか。
A. info@yu-ka.space までご相談ください。運営者個人の氏名・顔、および所在地・アクセスに関する情報は提供しておりません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【湧火(YUUKA)概要】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

名称   :湧火(ゆうか/YUUKA)
業態   :招待制・審査制のプライベートサウナ(時間貸し)
会員呼称 :火守(ひもり)
会員数  :100名突破(2026年8月15日時点)
構成   :薪サウナ(100℃超)/自然の沢の水(夏約12℃・冬約8℃)
立地   :南アルプス・甲斐駒ヶ岳(2,967m)の麓の私有地
      ※正確な所在地は非公開
静けさ  :半径500mに人のいない環境
運営形態 :常駐管理者なし・セルフ利用/太陽光・蓄電池・衛星通信によるオフグリッド
予約   :会員ページから1時間単位・60日先まで
      相席の可否は火守が選択(相席可の枠は最大4組)
入会   :申請 → 審査 → 会員コード発行 → 電子署名 → 所在地開示
対応言語 :日本語・英語・中国語
公式サイト:https://yu-ka.space
公開日  :2026年6月1日