「集中しようと思っているのに、なぜか集中できない」
「大事な場面になるとミスが増える」
「調子がいい日は何でもうまくいくのに、悪い日は何をやってもうまくいかない」
そんな経験はありませんか?
集中力というと、「ある・ない」の二択で考えてしまいがちです。しかし実際には、集中にはいくつもの段階があり、その日のコンディションや環境によって状態も変化します。
では、自分はいま、どのくらい集中できているのでしょうか?
株式会社脳レボ代表・川谷潤太が、これまでスポーツチームへの指導や企業研修などで伝えてきた「集中状態チェック」の考え方をもとに、今回は集中力を6つのレベルに分けてご紹介します。
「集中力」は測定できる?
前回の記事では、集中力を測定する方法として「脳波測定」「カード集中法」を紹介しました。
これらは、集中状態を数値として確認する方法です。
一方、今回紹介するのは「集中状態チェック表」。
こちらは数値を測定するものではありません。
自分が実際にどのような状態にあるのかを、一定の基準と照らし合わせながら確認していく方法です。
まずはスポーツ、特に球技をイメージしながらチェックしてみましょう。
集中力レベル1:「何かが気になる」「いつも迷っている」
練習中や試合中に、こんなことが気になっていませんか?
監督やコーチの顔色が気になる
自分のフォームが気になる
相手選手やチームメイトが気になる
周囲の人の言動が気になる
気温や天候が気になる
「どうしよう」と迷うことが多い
このように、目の前のプレー以外のことに意識が向いている状態です。
「集中しよう」と思っていても、意識がさまざまな方向に分散しているため、本来の力を発揮しにくくなります。
集中力レベル2:「周りが気にならなくなってくる」
少しずつ、周囲のことが気にならなくなってきます。
すると、
反応するスピードが上がる
今まで取れなかったボールが取れる
ミスが減る
思いがけない好プレーが増える
自分以外のことが気にならなくなる
といった変化が出てきます。
「なんとなく今日は調子がいい」と感じるときは、こうした集中状態に入っているのかもしれません。
集中力レベル3:「集中する感覚」が分かり始める
さらに集中が深まると、「集中するとは、こういうことか」という感覚が少しずつ分かってきます。
プレーが落ち着いてくる
身体の動きが硬くなくなる
コントロールの精度が上がる
日常生活でも「無」の時間が増える
余計なことを考えなくなる
疲れにくく感じる
特に重要なのが、「集中しよう、集中しよう」と力まなくても、自然とプレーに入り込めるようになることです。
集中力レベル4:「勝とう」と力まなくても勝負できる
さらに集中状態が高まると、プレーそのものに粘りが出てきます。
「絶対に勝たなければ」と力を入れているわけではないのに、なぜか負ける気がしない。
そんな感覚です。
勝敗に必要以上にこだわらなくなる
相手のミスを待てる
プレーに粘りが出る
コンディションが安定する
試合そのものが楽しくなる
「勝たなければ」と考えるほど身体が硬くなってしまう人にとっては、非常に興味深い状態です。
集中力レベル5:「身体が勝手に動く」感覚
さらに集中が深まると、意識して身体を動かすというより、身体が自然に反応するような感覚が生まれてきます。
ボールがよく見える
必要なときに集中できる
身体が自然に動く
プレッシャーを感じにくい
何事も楽しめる
心が「無」の状態になる
スポーツ選手が「身体が勝手に動いた」「考える前に身体が反応した」と表現するような状態に近いものです。
集中力レベル6:「競技の本質」が見えてくる
そして、さらにその先にあるのがレベル6。
単に「集中できる」というだけではありません。
プレーが自然である
自分の目標や目的が明確
競技に対する使命感や信念がある
自分自身をコントロールする方法を持っている
競技だけでなく、さまざまなことに応用できる
ここまでくると、「集中力」という技術だけではなく、自分自身の考え方や行動そのものに変化が現れてきます。
あなたは今、どのレベル?
ここまで6つの集中力レベルをご紹介しました。
レベル1からレベル6までを見て、
「自分は今、どのレベルだろう?」
と考えてみてください。
ただし、ここで大切なのは「レベル6にならなければいけない」ということではありません。
集中状態は、その日の体調、環境、気持ち、場面などによって変化します。
昨日は集中できたのに、今日はなかなか集中できない。
そんなことがあっても不思議ではありません。
だからこそ、自分の集中状態を客観的に確認することが重要なのです。
集中力が分かれば、パフォーマンスも見えてくる
「今日は集中できた」
「今日は集中できなかった」
これまでは、そんな感覚だけで終わっていたかもしれません。
しかし、自分の集中状態をチェックする習慣をつくることで、
集中状態とパフォーマンスの関係
が見えてくる可能性があります。
集中できていた日はプレーの精度が高かった。
逆に、集中できていなかった日はミスが多かった。
こうした変化を振り返ることで、自分がどのようなときに力を発揮しやすいのかを知るきっかけになります。
そして、目指したいのは「いつでも最高の集中状態にする」ことだけではありません。
自分の集中状態を知り、必要な場面で力を発揮できる状態をつくること。
それが、安定したパフォーマンスにつながる一歩になります。
集中力は「感覚」だからこそ、客観的に見る
集中力は目に見えません。
だからこそ、「自分は集中できている」と思っていても、本当にそうなのか判断するのは簡単ではありません。
脳波測定のように数値で確認する方法もあれば、今回紹介したように、自分の状態を段階的にチェックする方法もあります。
「なんとなく集中できない」で終わらせず、
「今、自分はどんな集中状態なのか?」
と考えてみる。
それだけでも、自分のパフォーマンスを見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
スポーツだけでなく、仕事や勉強など、集中力が求められる場面は日常の中にたくさんあります。
まずは今日、自分自身の集中状態をチェックしてみてください。
あなたの集中力は、今どのレベルでしょうか?
明るく元気に楽しく笑顔で!!
【番外編】「集中力チェックシート」という方法も
株式会社脳レボでは、スポーツチームへの指導や企業研修などで、集中力を体感してもらうための「集中力チェックシート」も活用しています。
集中力は、ただ「集中しなさい」と言われるだけでは身につきにくいもの。
自分自身の状態を知り、実際に体感することが、集中力について考える第一歩になります。
「自分はどんなときに集中できるのか?」
まずは、そこから振り返ってみてはいかがでしょうか。
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監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ 代表取締役 https://nourevo.co.jp/
大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。