雪印メグミルク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、国立大学法人宮崎大学教育学部の塩瀬圭佑准教授らとの共同研究において、運動後のタンパク質補給が、食欲や食事量に影響する可能性に着目し、タンパク質源の違いが、その後の食事摂取量に及ぼす影響を検証しました。男子大学生を対象とした試験の結果、エンドウマメタンパク質※1を摂取した場合はその後の昼食摂取量の有意な低下が認められず、1日の総タンパク質摂取量は対照条件と比較して有意に高いことが確認されました。この結果から、エンドウマメタンパク質は、運動後の食事量を維持しながらタンパク質摂取量を確保するための選択肢となる可能性が示されました。本研究成果は、2026年9月25日から27日に青森県弘前大学で開催された「第80回 日本体力医学会大会」にて発表されました。
【本研究のポイント】
●エンドウマメタンパク質摂取条件では、補食摂取1時間後の昼食におけるエネルギー摂取量に、水摂取条件との有意差は認められなかった。(図1)
●昼食、夕食および補食を合算した実験日の総タンパク質摂取量は、エンドウマメタンパク質摂取条件において、水摂取条件と比較して有意に高かった。(図2)
●エンドウマメタンパク質は、運動後の食事量を維持しながら、1日の総タンパク質摂取量を高める補食の選択肢となる可能性が示された。
運動後のタンパク質摂取は、筋肉や体づくりに欠かせません。一方で、運動後の補食として摂取したタンパク質が、その後の食欲や食事量に影響する可能性も指摘されています。そこで本研究では、植物性タンパク質であるエンドウマメタンパク質に着目し、動物性タンパク質であるホエイタンパク質と比較しながら、運動後の食欲および食事摂取量への影響を検討しました。
運動習慣のある男子大学生12名を対象に、1時間のレジスタンス運動※2終了後に、水、エンドウマメタンパク質(タンパク質量 約25 g)、ホエイタンパク質(タンパク質量 約25 g)のいずれかを補食として摂取するランダム化非盲検クロスオーバー比較試験を実施しました。補食摂取1時間後の昼食および7時間後の夕食では、ビュッフェ形式で食事摂取量を測定するとともに、運動開始前から夕食摂取後までの主観的な食欲を評価しました。
以下の結果が得られました。
●エンドウマメタンパク質摂取条件では、補食摂取1時間後の昼食におけるエネルギー摂取量は水摂取条件との有意差が認められませんでした。一方、ホエイタンパク質摂取条件では水摂取条件と比較して低値を示しました。
●エンドウマメタンパク質摂取条件では、補食摂取1時間後の空腹感は水摂取条件との有意差が認められませんでした。一方、ホエイタンパク質摂取条件では水摂取条件と比較して低値を示しました。
●昼食、夕食および補食を合算した1日の総タンパク質摂取量は、エンドウマメタンパク質摂取条件において、水摂取条件と比較して高値を示しました。
これらの結果から、エンドウマメタンパク質は運動後の補食として摂取した際、その後の食事摂取量を低下させにくく、1日のタンパク質摂取量の確保に有用である可能性が示唆されました。
運動後の栄養補給への関心が高まる中、スポーツ栄養分野においても、目的や摂取シーンに応じたタンパク質源の選択肢が求められています。本研究成果は、植物性タンパク質であるエンドウマメタンパク質の新たな特徴や有用性を示すものであり、運動後のタンパク質補給における選択肢となる可能性を示しました。今後も、エンドウマメタンパク質を含む多様なタンパク質源について、運動後の栄養補給における有用性を検討していきます。
学会情報
タイトル:レジスタンス運動後に摂取するたんぱく質源の違いがその後の食事摂取量に及ぼす影響
学会名:第80回 日本体力医学会大会
発表者:山下敦也1、塩瀬圭佑1、新屋輝長2、上野宏2、河野通生2
(1:国立大学法人宮崎大学 教育学部、2:雪印メグミルク株式会社)
用語説明
※1 エンドウマメタンパク質:エンドウマメに由来する植物性タンパク質。植物性素材への関心が高まる中、スポーツ栄養分野においても、目的や摂取シーンに応じたタンパク質源の選択肢として注目されています。
※2 レジスタンス運動:筋肉に負荷をかける動作を繰り返す運動で、いわゆる筋トレにあたります。