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「水だけ」「スポーツドリンクなら安心」は本当? 夏の水分補給、3つの勘違い

2026-07-18 09:00:00
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部活動のあとにスポーツドリンクを飲む。
炎天下で仕事をしながら、水だけを何本も飲む。
「のどが渇いたら飲めば大丈夫」と思っている。

夏になると、多くの方が熱中症を防ぐために水分補給を意識します。
その心掛けはとても大切です。
しかし診療の現場では、「良かれと思って続けていた水分補給」が、
実は体に負担をかけてしまっているケースも少なくありません。

大切なのは、「たくさん飲むこと」ではなく、「何を」「いつ」「どのように飲むか」です。

そこで今回は、愛知県豊田市のたいや内科クリニック院長・加藤大也が部活動に励む学生や暑い中で働く方にも知っていただきたい、夏の水分補給でよくある3つの勘違いと、正しい水分補給のポイントについて解説します。

「水なら、たくさん飲めば安心」は本当?

夏の水分補給で、最も多い勘違いの一つが、
「水なら、たくさん飲んでも大丈夫」
という考えです。

もちろん、普段の生活でこまめに水を飲むことはとても大切です。
問題になるのは、炎天下での作業や部活動、スポーツ、発熱、下痢などで大量の汗をかいているにもかかわらず、水だけを大量に飲み続けてしまう場合です。

汗では、水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も一緒に失われています。
その状態で水だけを大量に補給すると、血液中のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症」を起こすことがあります。

低ナトリウム血症では、

・頭痛
・だるさ
・吐き気
・ぼんやりする

などの症状が現れることがあり、重症の場合は意識障害やけいれんにつながることもあります。

ここで大切なのは、「水が悪い」ということではありません。
汗を多くかいた時には、水分だけでなく、失われた塩分や電解質も補う必要がある
ということです。

「スポーツドリンクなら安心」は思い込みかもしれません

もう一つ多いのが、「スポーツドリンクを飲んでいれば安心」という考えです。
スポーツドリンクは、運動時や大量に汗をかいた時には役立つ飲み物です。
水分と一緒に糖分や電解質を補給できるため、状況によっては体への吸収を助けることもあります。

一方で、日常生活の中で水代わりに飲み続けると、糖分の摂り過ぎにつながることがあります。

特に、
・糖尿病のある方
・血糖値が高めの方
・肥満が気になる方
・甘い飲み物を日常的に飲むお子さん

は注意が必要です。

暑いからといってスポーツドリンクや甘い飲み物を習慣的に飲み続けると、
血糖値の急上昇や体重増加につながることがあります。
また、糖尿病の方では、強いのどの渇きが血糖値上昇のサインである場合もあります。
その状態で甘い飲み物を重ねて飲んでしまうと、さらに血糖値が上がる悪循環につながる可能性があります。

そのため、スポーツドリンクは「いつでも飲んでよい飲み物」ではなく、「必要な場面で活用する飲み物」と考えることが大切です。

「のどが渇いてから飲む」では遅いこともあります

3つ目の勘違いは、「のどが渇いたら飲めば大丈夫」という考えです。
若い方でも、仕事や部活動などで忙しくしていると、水分補給を後回しにしてしまうことがあります。

さらに高齢者では、加齢により暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあります。体内の水分量も少なくなりやすいため、気づいたときには脱水が進んでいるケースも少なくありません。

また、冷房の効いた室内にいても安心はできません。
汗だけでなく、呼吸や尿などを通して体の水分は少しずつ失われています。
そのため、水分補給は「のどが渇いたから飲む」のではなく、「のどが渇く前に飲む」ことが大切です。

水分補給で大切なのは「量・質・タイミング」

では、夏の水分補給はどのように考えればよいのでしょうか。
ポイントは、

量・質・タイミング
この3つです。

:一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに飲むことが基本です。

:日常生活で汗をあまりかいていない場合は、水や麦茶で十分なことが多いでしょう。

一方で、
・屋外での作業
・スポーツや部活動
・発熱
・下痢
・食事が十分に取れないとき
・大量に汗をかいたとき

には、水分だけでなく、塩分や電解質も意識する必要があります。

経口補水液は脱水時には有用ですが、塩分や糖分を含むため、
日常的に水代わりとして飲むものではありません。

また、高血圧、心臓病、腎臓病、糖尿病などの持病がある方は、使用方法について医師や薬剤師へ相談してください。

タイミング
おすすめは、「生活の節目」で飲む習慣をつくることです。

・起床後
・朝食時
・外出前
・帰宅後
・入浴前後
・就寝前

あらかじめタイミングを決めておくことで、飲み忘れを防ぎやすくなります。
ただし、夜間頻尿がある方は、就寝直前に多く飲み過ぎると睡眠の妨げになることがあります。

その場合は、日中から夕方までにこまめに水分を補給する工夫が大切です。

尿の色も、体からのサインの一つです

水分不足を判断する目安の一つとして、尿の色があります。
日中も濃い黄色の尿が続く、尿量が少ない、口が乾く、立ちくらみがある、頭が重い、足がつる。

こうした症状がある場合は、脱水のサインかもしれません。
ただし、朝一番の尿は濃くなりやすく、ビタミン剤や薬の影響で色が変わることもあります。

尿の色だけで判断するのではなく、体調全体と合わせて確認することが大切です。

特に注意していただきたい方

次のような方は、脱水や熱中症のリスクが高くなるため、特に注意が必要です。

・高齢者
・乳幼児
・持病のある方
・屋外で働く方
・スポーツや部活動を行う方

また、心臓病や腎臓病などで水分や塩分の制限を受けている方は、自己判断で水分や塩分を増やさず、主治医へ相談してください。

正しい一杯が、夏の体を守ります

水分補給は、「たくさん飲めば安心」というものではありません。
そのときの体の状態に合わせて、「何を」「どのくらい」「いつ飲むか」を考えることが大切です。
水を飲むことは、体をいたわること。
汗をかいたあとに塩分や電解質を意識することは、頑張った体への思いやりです。
甘い飲み物を選び過ぎないことは、将来の血管や健康を守ることにもつながります。
毎日の水分補給は、何気ない習慣のようでいて、夏を元気に過ごすための大切な健康管理の一つです。

今日の一杯を、ただ喉を潤すためだけではなく、自分自身や大切な家族の健康を守る一杯として見直してみてはいかがでしょうか。

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たいや内科クリニックでは、これからも地域の皆さまが安心して健康に暮らし続けられるよう、糖尿病や生活習慣病の診療だけでなく、季節ごとに気を付けたい健康情報についても分かりやすく発信してまいります。

地域のかかりつけ医として、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、一人ひとりの生活習慣やライフスタイルに寄り添った診療を心掛けています。

今後も、病気の治療だけでなく、「予防」の大切さを地域の皆さまへお伝えし、健康づくりをサポートしてまいります。

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