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“ツタンカーメンの呪い”が白血病の救世主になる可能性

2025-06-28 06:32:00
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ツタンカーメン王の墓の「ミイラの呪い」と信じられていた真菌に、がん細胞と闘う力が秘められているという。 菌種「アスペルギルス・フラバス」は、ツタンカーメン王の眠る墓を発掘する探検家を、致死力のある肺感染症に至らしめたとされているが、血液のがんである白血病の救世主となる可能性があるようだ。 米ペンシルバニア大学の研究者らはこの菌種から「アスペリギマイシン」と呼ばれる新たな分子群を単離させることに成功。そのうち2種類の化合物が、無修飾分子として白血病細胞を死滅させる結果に、さらに脂肪脂質鎖で強化された3種類目の化合物が、シタラビンといった米食品医薬品局(FDA)承認の急性骨髓性白血病(AML)のための治療薬に匹敵する効果を発揮した。 6月23日のネイチャー・ケミカル・バイオロジー誌に掲載された同研究を指導した化学・生体分子工学および生物工学専門のシェリー・ガオ准教授はこう話す。 「真菌は私たちにペニシリンを与えてくれたのです。今回の結果は天然物由来の医薬品がまだまだたくさん残されていることを示しています」 「がん細胞は無秩序に分裂します。これらの化合物は細胞分裂に不可欠な微小管の形成を阻害するのです」