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“毎日の散歩”にアルツハイマー型認知症遅らせる効果、14年間にわたる研究

2025-11-06 01:33:00
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毎日気軽に散歩するだけで、アルツハイマー型認知症の進行を劇的に遅らせることができるという。 米国の非営利医療システム「マサチューセッツ総合ブリガム」による長期研究で、1日わずか3000~5000歩の歩行が、同病気に関連する脳の変化と認知機能の低下を約3年遅らせることが明らかになった。 さらに1日5000~7000歩を歩いた人では、症状の発現を最大7年遅らせることができたという。 ネイチャー・メディシン誌に掲載された、14年間にわたる同研究を指導したワイ・イン・ヤウ博士はこう述べている。 「アルツハイマー病のリスクがある高齢者に、脳と認知機能を保護するため、活動レベルを小さく持続的に変えるよう推奨しています」 研究チームは50~90歳の認知機能正常な成人296名を追跡調査し、歩数計で活動量を計測、年次脳スキャンで同病気に関連する毒性タンパク質アミロイド斑とタウ線維の変化をモニタリングした。 その結果、定期的に歩行した参加者ではタウタンパク質の蓄積速度が遅く、記憶力や思考力がより鋭敏に保たれた一方、運動不足の参加者では脳機能の低下速度が著しく速いことが判明した。 世界で5000万人以上に影響を与え、認知症の最も一般的な原因となっているアルツハイマー型だが、運動が血流を促進し炎症を軽減、脳細胞を保護するホルモンを活性化させるとして、ヤウ博士はこう続けた。 「因果関係を証明するには無作為化臨床試験が必要ですが、身体活動がアルツハイマー病の初期兆候を示す人々の認知機能低下速度を遅らせる可能性があることは非常に心強いです」 また、英国アルツハイマー病研究機構のジュリア・ダドリー博士は、同研究が軽度な運動でも効果があることを示しているとしてこう話す。 「1日約5000歩の歩行は、この病気の主要な要因の一つであるタウタンパク質の蓄積を遅らせる可能性があります。簡単な生活習慣の変更が、脳をより長く健康に保つ助けとなるのです」